ウエイトトレーニングを行う方の中にはHMBを摂取している方も多いのではないでしょうか。最近ネット上などで『HMBは本当に効果があるのか?』などよく目にしますが、HMBの真実とはどのようなものなのかをまとめてみました。
HMBとは何か?
正式な名称は、3−ヒドロキシイソ吉草酸といいBCAA中の物質ロイシンの代謝中間体です。代謝中間体とは物質変化の途中段階の物質のことです。
身体で生成できるHMBの量は0.2〜0.4グラムしかないので体外から摂取しなければならないということになります。
HMBの効果とは。
HMBサプリメントの広告で、飲むだけで筋肉が増えるイメージを持たせるようなものが多くあります。しかしHMBを摂取したからといって筋肉が増えることはないのです。
プロテインの20倍の効果!なんて謳っている商品もありますが、まず理解しないといけないのが、プロテインとは別物です。
一緒にすること自体がおかしなことなのです。
プロテインについては別に説明するとして、今回は、実際にHMB摂取における筋肉に対する影響を調べた研究論文を、ご紹介していきたいと思います。
一つ目の研究論文は、ウエイトトレーニングにおける筋力の変化を調べたものです。これは3週間にわたり行い3つのグループに分けて比較しました。1つ目のグループは、HMBを全く摂取しないグループで2つ目は1日に1.5グラム摂取するグループに加え1日に3グラム摂取するグループです。
1週間の時点では1.5グラム摂取は一番筋力が伸び、2週目では3グラム摂取、3週目でも3グラム摂取が最も筋力が向上しました。
このことからHMBの摂取は筋力向上に貢献するとともに摂取量に比例し筋力が増えるということもわかりました。
しかし、HMBの過剰摂取は逆に筋肉の合成能力を低下させるということを立証した研究もあります。
HMBを摂取した37人の大学生に対しHMBを摂取しないグループ、体重1キロあたり38mgのHMBを毎日摂取するグループに加えて同じく76mg毎日摂取するグループに分けて行いました。
76mg摂取したグループよりも38mg摂取したグループの方が除脂肪体重は増加するという結果になりました。
このことからHMBの過剰摂取は筋肉合成に悪影響を及ぼすということがわかります。
HMBとクレアチンを同時摂取することにより筋肉にどのような影響をもたらすのかを調べた研究もあります。
4つのグループに分けます。1つ目のグループは偽薬を摂取、2つ目のグループはクレアチンのみを摂取、3つ目のグループはHMBのみを摂取、そして4つ目のグループはクレアチンとHMBを同時摂取するグループです。
結果、クレアチンのみ摂取のグループとHMBのみ摂取グループは偽薬グループよりも筋力が向上しました。
しかしHMBとクレアチン同時摂取グループが最も筋力とともに除脂肪体重が増えるという結果になりました。
このことからHMBとクレアチン同時摂取はHMB単体での摂取よりも効果的であるということがわかりました。
いかがでしたか?
HMBは、筋力アップや筋肥大に効果的ということがわかりました。ただ、HMBの過剰摂取は悪影響を及ぼすということを理解しておいてください。
上手にHMBを摂取し効率良く筋肉をつけましょう。
参考文献
http://jap.physiology.org/content/81/5/2095.long
http://journals.lww.com/acsm-msse/Fulltext/2000/12000/__hydroxy___methylbutyrate_ingestion,_Part_I_.22.aspx
http://www.nutritionjrnl.com/article/S0899-9007(01)00540-8/abstract