グルタミンを摂取すると筋肉にどんな効果があるのでしょうか。
1・グルタミンとは何か。
2・グルタミンを摂取すると、どのような効果があるか?
3・グルタミンの摂取タイミング。
主に、この3点について触れていきたいと思います。
1・グルタミンとは何か。
グルタミンは、体内にあるアミノ酸の中で、一番割合が多いアミノ酸です。
体内にある全遊離アミノ酸(タンパク質とは結合せず、単体で体内に存在するもの)の中で60%がこのグルタミンで構成されています。
前回の記事でお伝えしたBCAAとは逆に体内で作ることが可能な非必須アミノ酸に分類されます。
また、ハードにウエイトトレーニングを行った時に加えて、風邪を引いた時や、疲労が蓄積された時に、グルタミンは大量消費されるので準必須アミノ酸とも呼ばれています。
2・グルタミンを摂取すると、どのような効果があるのか?
①グルタミンは筋分解抑制の効果がある。
ウエイトトレーニングを行った時に加え、風邪を引いた時、疲労蓄積、体にストレスがかかった時、グルタミンは体内で大量消費されます。
グルタミン摂取が筋分解に対してどれほど貢献しているかを実験した研究結果があります。
ストレスホルモンを与えた雌ラットに、生理食塩水またはグルタミンを7日間注入しました。(240mM、0.75ml / h)1mM=0.001mol/L
結果は、ストレスホルモンであるグルココルチコイド注射をした後グルタチオン輸液(グルタミンを含む3つのアミノ酸)をすると70%筋分解が抑制されました。
(参考資料 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7733273)
これらから分かるように、どうやらグルタミン摂取を行うと筋分解が抑制に効果があるようです。
②グルタミンはタンパク質合成に効果がある。
グルタミン摂取により筋中のタンパク質合成に効果的だと示唆されています。
筋中のタンパク質が低下した(怪我や病気など患う)ラットに、グルタミンを注入するという実験があります。
(参考資料 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0014579387801394)
結果は、ラットの細胞内のグルタミン200%増加し、タンパク質合成に関しては、66%増加しました。また、体内にインスリンがある場合は、筋中のグルタミンは、30%増加し、タンパク質合成は、80%増加しました。インスリンがない場合は、66%増加しました。
これらから、グルタミン摂取は筋肉のタンパク質合成において効果が大きいということが分かりました。
また、インスリンレベルを高めると、さらにタンパク質合成に効果的です。食事を小分けにするなどをして、インスリンレベルを高めることも効果的です。
③グルタミンは、成長ホルモン分泌促進効果がある。
筋肉に大きく関係する成長ホルモン。どうやらグルタミン摂取は、成長ホルモン分泌促進に効果的のようです。
経口グルタミン負荷後の血漿重炭酸塩と成長ホルモンの増加検証を行った研究があります。
9人の健全な被験者に対し、コーラ飲料に2gのグルタミンを溶かし、軽い朝食し45分後に20分間摂取させます。
前腕静脈血サンプルを0時間および30分という間隔で90分間採ります。 1週間前に得られた時間対照の結果と比較するというものです。
実験結果は、被験者9人中8人がグルタミン摂取に反応しました。30分または60分でグルタミンが増加し、その後90分で対照値に戻った。
グルタミン90分後、重炭酸血漿濃度と血中の成長ホルモンが上昇しました。
このことから、グルタミン摂取は、成長ホルモン分泌促進に大きく貢献していることがわかります。
成長ホルモンは、筋肥大に密接に関係しているので、成長ホルモン分泌促進は、筋肥大に繋がります。
3・グルタミンの摂取量と摂取タイミング。
グルタミンは、性質上、熱や水に弱いので、そのまま摂取するのが良いとされています。
摂取量に関しては、最低でも1回5gは摂取をし、数回に分けるのがベストでしょう。
参考資料 http://www.dnszone.jp/magazine/2015/0225-001.php
グルタミンの摂取タイミングは、ウエイトトレーニング後、また、就寝前の摂取を推奨しております。
ウエイトトレーニング後のグルタミン摂取は、筋分解の抑制に効果的です。
そして就寝前にもグルタミンを摂取し成長ホルモンの分泌促進をさせ、筋肥大効果や疲労回復などの効果を狙います。
私個人的に、就寝前にグルタミン摂取をすると、目覚めが良く疲労も抜ける感じがします。特に疲労が蓄積されやすい減量中など効果絶大です。
グルタミンは、トレーニングには欠かせないアミノ酸であることが分かりました。
皆さんも、グルタミンを効率良く摂取し、筋肥大や疲労回復に生かしてみてはいかがでしょうか?